ホワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウィープス

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某月某日

8月の終わり、ひと雨あって街中の空気がスッと様相を変え始めたその日「光明寺たそがれ夏祭り」を開催した。

光明寺に着くと、強烈に香しいスパイスの香り。お寺別館の台所でインド料理屋さながらの匂いを発しているのはなぎ食堂 / mapの小田さん。
どう捻ってもおいしいカレー以外は出てこなさそうな鍋の様子を感じて否応なしに期待は高まる。

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出演の王舟さんはお寺の畳の上に足を投げ出して、ゆっくりとした佇まいでギターを鳴らしている。高城昌平さんもやってきた。
ご出演者、スタッフ達が揃ったお寺の一室には、まるで暫くぶりのいとこ同士が集まってきたかのような、"他人ではないかんじ"の空気が既に横たわっている気がした。
これからみんなでやるのはライブイベント?、、、もしかしたらホームパーティーのようなものかもしれない。

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開場前、お客様が続々と集まるテラスもなんともいい空気。
"残暑" という美しい日本語を忘れてしまいそうなくらいの優しい風がテラスにそよいでいる。

今回は光明寺に新しく導入されたスピーカーのお披露目会も兼ねての夏祭り。お寺の設備を使わせて頂くだけなので準備は早い。
いつものスピーカーは外に出張して、スタッフ齋藤くんの選曲をテラスに届けた。

最初のライブは高城昌平さん。軽妙なMCで誰そ彼への入り口をより親しいものにしてくださり、リラックスしたムードで演奏がスタート。
ソロ故にceroではやらない曲を、という事でカヴァー曲を交えつつだったが、一貫したテーマが通底しているような楽曲たちに、お寺の本堂で向かい合う。
夏の終わりのみんなの心にしっとり浸透してくる、静かな泉のようなひんやりとしたギターと歌声だった。

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光明寺新スピーカーは快調に鳴っている。このスピーカーのお父さんとも言うべき方、ユニット部分を開発したLEEDの江夏喜久男さんに話して頂いた。
「この音を聴いてどう思いますか?」
あまりに率直な質問に思わずたじろいでしまい上手く回答出来なかったが、言われてみれば確かに判る「音が真っ直ぐ聴こえる感じ」
音は真っ直ぐにしか飛べないから、真っ直ぐに飛ぶユニットを作ったという。変に反響したりせず、所謂 "音がまわる" 感じがない。
江夏さんは「あの向こうのお墓まで届く」と自信を持って断言されていた。
お経が墓地に満ちる様子を想像してなんだかうれしい気持ちになった。

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続いて光明寺僧侶の松本紹圭による法話。この法話の声もお墓に染み込んでいるだろうか。
人の苦しみとは「思い通りにならない事」、例えば身近で言えば、背がもう少し高ければとか、もっといい仕事に就きたい、とか。
そんな導入から、実は"生まれる事"も望んだわけではないので仏教では"苦しみ"の内に入るという考えに話は及び、そこからするすると原因を辿っていくとどんどん頭が整理されていく。
ほんのちょっとの視点の変化で少し気持ちがラクになる事がある。仏教は一緒に悩んでくれるから、多くの人にとってとっつきやすく、ヒントが見出し易いのだと思う。
お坊さんはその手助けをしてくれるのだ。

ラストは王舟さんのライブ。
意外にも寺ライブは初と仰っていたが、本堂の前で正に堂々と響くギターと歌は男らしくかっこよかった。

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序盤は高城昌平さんをゲストに迎えてのメドレー。電気グルーヴの「虹」カバー等も聴かせてくれた。
しなやかに聴こえるのに、芯が太く、繊細なのに豪快。相反する二つの印象が入れ代わり立ち代わる不思議な個性だ。
最後に演奏された名曲「Thailand」の歌声は光明寺新スピーカーによってお墓を越えてまだ見ぬ彼の地に届かんばかり。
居場所を失くして暗闇に浮かぶかのようなこの心地良い感覚が、いつまでも続いてほしいと願った。

そしていつもの様にみんなでお経を詠んで終了。
ご来場くださったお客様、御出演者の方々、スタッフのみんな、ありがとうございました。

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このページは、管理者が2011年9月 3日 11:42に書いたブログ記事です。

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