2011年4月アーカイブ

四月の風

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某月某日

四月の頭になんとなく部屋探しを始めたらとんとん拍子で決まっちゃって、まるで手癖のように引越しのダンドリしまくってたらあっという間に四月ももう終わり。
仕事もちょうど新しいプロジェクトが始まったのでなかなか忙しくって、本当に風の様に月が過ぎ去ってったキブンだ。

そんな中でも酒の匂いには洩れなく釣られる性分故に、毎年恒例の小田原城花見に参加させてもら(って寝ちゃ)ったり、あとは誰そ彼の年度始めのミーティングそしてその後の宴会なども
いや、ミーティングよりも宴会が主目的という噂も。。。

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冬眠から醒めた誰そ彼メンバー達にも四月の風が吹いているようだ
次回Vol.21の企画の他に、新たな試みのアイデアも出た。

今年の四月の風は去年までとはやはり少し違うのかもしれないな。
それは勿論震災の影響もあるだろうけど、そうではなく誰そ彼体内の血の巡りに依るものとも思える。

目出度い事に誰そ彼スタッフからまた一人お坊さんが誕生した。
ナイショでみんなで寄せ書きを書いて贈り祝った。

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得度修礼、というお坊さんになるための研修で京都のお寺に篭っている最中に震災が起きた。
彼女からのメールには、正にその夜の実習の中でお葬式であげるお経『白骨章』を詠み、道場内から泣き声があがったという話が書かれていた。

「朝には紅顔ありて、夕には白骨となれる身なり」

この一節をここまでリアルに感じる事はなかったという。
実感のこもった文章に僕も感情を抑えきれず、ふと手を休めて感じ入ってしまった。

これから、というか今もであると思うが、様々な状況、立場からあの日の事が語られていくのだな。
幸い誰そ彼には法話の時間があり、お坊さんに語って頂く機会となる。
いずれはその彼女も誰そ彼で話してくれるだろう。
それはすごく楽しみだ。

そして、誰そ彼を一緒に始めた光明寺所属僧侶の松本圭介がインド留学から帰ってきた。
次の誰そ彼では彼に話してもらおう。
誰そ彼スタッフの僧侶層が厚くなっていくのはうれしい。

とにかくなんだか色々始まる装いの四月の風にまかせて、誰そ彼9年目をそろそろ始められそうなのだ。

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某月某日

仕事を終えて吉祥寺サムタイムへ急ぐ。
平田王子さんのライブがあるのだ。

そもそも、このライブに伺うのは奇妙なご縁である。

話は2月に遡る。
蒲田にて松永誠剛くんが開いた新年会に参加し、帰り道が一緒だった初対面のSさんと、たまたま渋谷毅さんの話で盛り上がった。

Sさんはキングインターナショナルにお勤めで、ちょうど渋谷毅さんと平田王子さんのデュオ作のCDを手がけられているとの事。
渋谷毅さんは昨年誰そ彼にご出演頂いている。
何より、お互いが渋谷毅さんの大ファンであるという点で共通していて、意気投合した。

寡聞ながらに、平田王子さんの事は存じ上げなかったのだけど、しばらくの後にSさんからライブのお知らせを頂いたのだ。
勿論ピアノは渋谷毅さん。

2nd set開始ギリギリの時間に階段を駆け降りるとまだ演奏は始まってなかった。
通された席はピアノの真上。左耳真正面にスピーカーがあるというベストポジションだ。

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平田さんの歌声とギター、いぶし銀のミュージシャン達の演奏。
あまりにも当たり前に、日常的に、美しく鳴らされている音楽は、きっとずっと前から変わっていなくて「ここはいつも通りですよ」と囁きかけられているような気がした。

東京に暮らしていたって、突然漠然とした不安感に襲われる事があり、それはあまりにもランダムだ。
仕事や生活は途切れなく続いているんだけど、たまたまの何かが時に妙にひっかかって暴力的に響いて、妙にネガティブな気分がやって来る。

この日も実はそんな気分が堪えていた所だったが、鍵盤にそっと置かれる渋谷さんの手や、平田さんの鳥のさえずりの様な歌声、アルトサックスの鈍い金色、そしてジョビンやノラジョーンズなどのよく知ったメロディー達に包まれて、「まだ大丈夫」と落ち着く事が出来た。
根拠はなくたってこの安堵は実感で、今はより多くの人と共有したい雰囲気だと思った。

帰り際に渋谷さんにもご挨拶が出来た。
「お寺のイベント、雨が降ったよねえ。台風の日だ。」なんて覚えてくださっていて、いつもの柔らかい表情にすっかり気持ちがほだされてしまった。
今日サムタイムに来てよかった。

以前、サワサキヨシヒロさんと飲んだ際
ボサノヴァはそもそもサンバをやりたい様な人種が、グッと抑えてストイックに徐々に高揚感を高めていく音楽なんです。」
と仰られていて、成る程と思った。
帰りのタクシーでそんな言葉を思い出して、なんだか今の空気にぴったりの音楽なのかもしれないな、と一人合点がいってしまい、思わずキングインターナショナルのSさん、そして平田王子さんご本人にもメールを送った。

こうやってご縁が広がっていくのは、本当に嬉しいし、たのしい。

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