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アフター・ザ・フォックス

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某月某日

犬の散歩のつきあいで、石神井台から武蔵関公園を抜け東伏見まで歩いた。西部新宿線から見える駅前のあの大きな鳥居をくぐってみたかったのだ。
くぐって歩いたらすぐにお社があるのだろうと思っていたら、全然見えてこない。
鳥居しかないなんておかしい、と地図を見たところ東伏見稲荷は少し離れた場所にあった。

住宅街のように見えて、よく見ると酒屋や乾物屋やらの商店も見える通りはは参道の賑わいも見られたのだろうか、今は少し閑静で和む通りとなっている。
諸星大二郎先生の『栞と紙魚子』に出てきそうな、妙な形の木ばかり目立っている。
昨日までの雪が一転して快晴のこの日、軒先の小さな雪だるまもかわいらしい。

昔ながらの乾物屋の前では小学生の女の子5名が元気に遊んでいた。地面に映り込む自らの影で「L・O・V・E」を作る練習をしている。
V役の子は頭が邪魔と言われ、ひっこめるのは無理よ!なんてやり取りが微笑ましい。
明日はバレンタインデーだ。

その道を折れてすこしいくと、おっきく鮮やかな鳥居が見えた。朱色のサンプルみたいな色をしている。犬はカバンに隠して、お邪魔する。

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階段を登ると、晴天になんとも映えるきらびやかなお社が見えた。立派!
狐様にご挨拶して手水場で手を洗い、神社の由来を読む。祀っている神様を知る。境内はテープで雅楽が流れており、なんとなく正月気分が残っている。賽銭を投げ拍手を打った後は、お守りと絵馬をチェック。そして境内をぐるり散策だ。
寺社仏閣参りは楽しみがいっぱい。

奥には、京都の伏見稲荷の千本鳥居の縮小版が展開されていた。
昨年の大晦日の大雪の中、京都の伏見稲荷の千本鳥居にお参りをしてきた記憶が蘇る。あそこまでベラボーに広くは無いが、西東京市の住宅街の一角と思うと充分に異界だし稲荷さん参りとしての機能は充分に整えられている。
京都の方をアナログレコードだとすると、こっちはCD紙ジャケ復刻版といった佇まいである。

実際、昭和のはじめに京都の伏見稲荷を東京へ勧請し、この稲荷が建てられたそう。その際に地名も「東の伏見」って事で、東伏見と改められたようだ。
東はここで、西は京都、と考えると、伏見の地名はスケールがでかい。

江戸の頃は富士信仰が流行って、各地に富士山のミニチュアが築かれたわけだけど、ここもなかなか京都までお参りにいけない稲荷ファンの為に作られたのだろうな。
お布施で名入りののぼりとか鳥居とか、ちょっとわかる気がしてきた。

帰りも同じ道を辿り、よさげなパン屋でパンを買う。
その間、犬と二人で店の外で待っていると、先ほどの小学生たちが通りがかり「あっ、さっきの犬だ!」なんて声をかけられ、またも長閑な気分になった。
なかなかいい街、東の伏見。

そしてこの時季はまだまだたそがれ時は寒いだろうからと早めの帰途を行く。

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